2008年4月20日 (日)

多種類ウイルス同時検出キット

 呼吸器感染(症状としては咳、鼻汁、熱)をおこす代表的なウイルス12種類を同時に検出する検査キットができて、米国では使用が承認されたそうです。高熱が続いた時には、以前は、熱の高い風邪ですとか、根拠は曖昧なのに、インフルエンザですと言い切っていました。しかし現在はそういうあやふやな診断では患者さんは納得されません。またインフルエンザの治療薬のタミフルは診断キットで陽性の患者さんにしか処方が原則としてできません。日本では外来で迅速検査ができるのは大きく3種のウイルス(インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス)だけですが、風邪症状や高熱をともなうウイルスは他にもあります。迅速検査の対象となるウイルスの数が増えて、しかも同時にできれば、診断もより確実になり、患者さんの負担も軽くなります。インフルエンザの検査のための綿棒を鼻に入れられるのは痛いのですから、それを何回もする必要がなくなり、痛い検査も1回ですむわけです。
12種のウイルスは、以下の通りです。
インフルエンザA型 H1 (ソ連型)
インフルエンザA型 H3 (香港型)
インフルエンザウイルスA型 (上記以外のA型)
インフルエンザB型
RSウイルスA型
RSウイルスB型
パラインフルエンザ1型
パラインフルエンザ2型
パラインフルエンザ3型
ライノウイルス
アデノウイルス
メタニューモウイルス
 ヨーロッパではこれより7種類多い、19種類のウイルスを同時検出できるキットが承認されたそうです。
これからはますます、「○○ウイルスによる熱です」とか「○○ウイルスによる咳です」という診断を求められるようになるでしょう。

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2006年7月17日 (月)

細菌性腸炎

夏はキャンプなどでバーベキューをする機会も多くなります。気温が高いので食べ物の鮮度と食中毒の原因菌の汚染には注意してください。特に肉類や卵、魚介類は充分に火を通してから食べるようにしてください。毎年夏になると、カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、O-157などが原因の感染性胃腸炎が増えてきます。これら細菌性腸炎は腹痛、下痢がきついのが特徴です。多いのがカンピロバクター腸炎です。これは主に鶏肉にいるカンピロバクター菌が原因です。よくある例では不十分な調理をした焼き鳥を食べた後に腹痛、嘔吐、下痢、発熱がおこります。抗生物質を内服すると24時間以内に解熱し、48時間以内に菌が見られなくなります。強い下痢止めの薬は使いません。便とともに菌を体外に出すほうが結果的に早く腸炎がよくなります。整腸剤を内服します。楽しいバーベキューが台無しにならないようにしましょう。

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2006年6月27日 (火)

夏かぜと抗生物質

今年は5月が天候不順だったためか例年より風邪が多いようです。ヘルパンギーナ、手足口病などの夏風邪はのどの所見に特徴があり、その他にもヘルペス性口内炎、突発性発疹、体に発疹が出るエンテロウイルス、そして今流行のアデノウイルスなどものどを診ればある程度は病名が予測できます。これらの病気はいずれもウイルスが病原体です。子どもの風邪は90%はウイルスが病原体です。ウイルス性の病気には抗生物質はまったく効きません。抗生物質はウイルスとは異なる病原体の細菌にしか効果がありません。すなわち今の風邪にはまず抗生物質は効きませんし、私も必要のない抗生物質は処方しません。

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