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2017年12月30日 (土)

この1年を振り返って

 12月17日に横浜市で開催された、日本アレルギー学会主催の総合アレルギー講習会に出席しました。いろいろと講演を聞きましたが、その中で、島根大学医学部皮膚科学教室の千貫祐子先生の「マダニ咬傷と獣肉アレルギー」の話は興味深いものでした。ウシ、ブタ、ヒツジなどの四つ足の哺乳類の肉を食べた後にでるアレルギー症状の一部はマダニが原因だそうです。マダニに噛まれたら血を吸われますが、マダニは刺したときに唾液を注入します。唾液の成分の糖鎖に対してアレルギーが成立した場合、その人が肉を食べるとアレルギー反応を起こし、時にはアナフィラキシー症状を引き起こすことがあります。実は肉の中にはマダニの唾液成分の糖鎖と同じものが豊富にあるためです。この糖鎖は子持ちカレイの魚卵にもあります。子持ちカレイの魚卵を食べてアレルギー症状がでたらこの糖鎖のアレルギーかもしれません。この糖鎖のアレルギーの怖いところは、転移性大腸癌や頭頸部癌の治療薬である「セツマキシブ」にもこの糖鎖があることです。そのためセツマキシブを治療で点滴すると強いアレルギー症状が出現することがあります。実際に症例報告があり、中には死亡に至った例もあるようです。マダニに噛まれるのは野山に入った時が多いと思われますが、ペットのイヌやネコにダニがいることも多いわけです。イヌ・ネコとマダニと肉アレルギーの連鎖には要注意です。
 今年も終わりますが、この1年もまたもやワクチンに振り回されました。MRワクチンの不足は昨年から続いていましたが、日本脳炎ワクチンの不足は厳しいものでした。そして年末にはインフルエンザワクチンの不足が社会問題にもなりました。私のクリニックでも患者様にたいへんご迷惑をおかけしました。毎年、ワクチン不足のリスクに対してどんな対策をとるか頭を痛める日々が続いています。
 12月に入ると、手足口病が流行しました。手足口病は夏風邪の代名詞だったのに、なんと冬に流行しています。昔から教えられてきた病気の季節感がなくなってきているようです。先月も書きましたが、インフルエンザも1年中みられようにもなりましたから。
 ことしもいろいろなことがありましたが、来年が少しでもよい年であることを祈ります。
 みなさま良いお年をお迎えください。

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