« この夏は | トップページ | 1年中みられるようになったインフルエンザ »

2017年9月28日 (木)

乳児の睡り

 育児相談で赤ちゃんの睡眠が昼夜逆転して困っているとか、ミルクを与えて眠らせてもしばらくしたら起きて泣くので頻回にミルクを与えなければいけないという訴えをよく聞きます。なぜこのように赤ちゃんの睡眠は安定しないことが多いのでしょうか。
 もともと人には24時間より少し長い周期で変動する生体リズムをもっています。これをサーカディアンリズムといいます。サーカディアンリズムは昼と夜の明暗の周期の変化で調整されることが知られています。24時間より少し長いサーカディアンリズムは、朝の光で地球の1日にである24時間にリセットされています。またサーカディアンリズムに関連して、夜になり暗くなるとメラトニンといホルモンが生産され睡眠が誘導されます。
 胎児はお母さんのおなかの中で光を感じることはできませんが、お母さんのメラトニンを胎盤を経由して受取り自分のサーカディアンリズムを保っています。しかし出生と同時にお母さんからのメラトニンがなくなるので、サーカディアンリズムを保てなくなります。そのかわり約3から4時間周期のウルトラジアンリズムがみられます。生後1か月間は明らかな覚醒や睡眠の時間帯がなく、短い周期の覚醒と睡眠の時間帯が交互に出現します。これがウルトラジアンリズムです。2から4時間おきに覚醒し、数十分覚醒して母乳を飲むというリズムです。このように生後1か月未満ではウルトラジアンリズムの短い覚醒と睡眠の時間帯が分かれてきます。
 しかし新生児は失われたサーカディアンリズムを取り戻すことをはじめます。そのため新生児期にはウルトラジアンリズムとサーカディアンリズムが混在することになります。1か月を過ぎると睡眠と覚醒がそれぞれの時間帯に集約してきますが、昼夜の明暗のリズムとはまだ同期しません。毎日少しずつ入眠時刻と覚醒時刻が遅くずれていくようになります。そのため夜寝ない赤ちゃんもいるようになります。サーカディアンリズムが昼夜の明暗でリセットされて24時間に強制され安定するのは生後4か月以降です。
 サーカディアンリズムの確立にもっとも影響が大きいのが光環境です。明るい時間が長い環境では安定したサーカディアンリズムはつくれません。メラトニンの分泌が抑制されるからです。蛍光灯・LED・テレビ・パソコン・スマートフォンに多く含まれる青い波長がメラトニンの分泌を抑制する作用が強く。そのため夜間は暖色系の電球の光が睡眠にはよいといわれています。特に子どもは光感受性が成人に比べて強いので、夜の光の影響を強く受けてしまいます。子どもを早く寝かしつけるには、蛍光灯を消して白熱灯の赤みのあるある光にかえることは有効です。さらに絵本を読んで聞かせるなどの入眠儀式をおこなえばさらによいと思います。

|

« この夏は | トップページ | 1年中みられるようになったインフルエンザ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« この夏は | トップページ | 1年中みられるようになったインフルエンザ »