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2017年7月30日 (日)

世界の果ての通学路

 今は夏休みの真っ最中です。今日は病気の話から離れて、映画の話をします。
 「世界の果ての通学路」という映画があります。パスカル・プリッソンが監督した、2012年のフランス映画です。日本では考えられないような環境の通学路で学校へ通う、4つの国、4組の子どもたちのオムニバス・ドキュメンタリー映画です。
 まずは、片道15㎞を2時間かけて通学するケニアのジャクソンとサロメの兄妹の話です。彼らは野生のキリンや象が生息するサバンナを毎日駈け抜けます。そこでは象が危険な存在です。ケニアでは毎年、4~5人の子どもが象におそわれて犠牲となっています。映画でも通学途中に象と遭遇したため、窪地へ身を隠して象が通り過ぎるのを待たざるを得ませんでした。兄のジャクソンは11歳で、夢はパイロットになることです。子どもとは思えないほどしっかりした語り口で将来の夢を語る彼の姿に感動しました。
 2組目はアルゼンチンの家も何もない果てしない高地の草原を、馬に妹を乗せて、片道18kmを1時間30分かけて登校する兄と妹の話です。兄カルロスの11歳の夢は獣医になることです。まだ馬の手綱を取らせたらいけないと親から言われていたのに、妹に懇願されて手綱を取らせるシーンは微笑ましいものでした。しかしあんなに何もなく、他には誰もいない草原で天候の急変があったらどうするのか心配です。
 3組目はモロッコの山岳地帯の細い道を片道22km、4時間かけて登校する3人の女の子たちの話です。女子に教育はいらないとする古い慣習が残る村から、家族の中で初めて学校に行く世代となり、寄宿学校に通うザヒラ、12歳の夢は医師になることです。途中、足を痛めた友達のために、たまに通るトラックを呼び止めようとしますがなかなか止まってくれません。それでも何とか乗せてくれた車の荷台に乗ってわずかばかりの距離でしたが痛い足を引きずって歩かずにすみました。本当に強い意志をもった娘です。
 最後はインドで片道4kmを1時間15分かけて登校する兄弟の話です。生まれつき足が不自由で、弟たちに車椅子を押されて登校するサミュエル、13歳の夢は医師です。ぬかるむ道を、兄が乗ったさび付いて今にも壊れそうな車椅子を2人の弟たちが押します。近道するため川を渡るのを強行したため危ない目にもあいます。
 どうして彼らはそんなに苦労してまで学校に行くのだろうと思うくらい過酷な通学路ばかりです。でも住む場所も、話す言葉も、宗教も、生活環境も異なる中で暮らす子どもたちは、みな「夢をかなえたいから」と言います。「世界の果ての通学路」から、子どもたちの希望と未来が見えてきます。

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