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2017年3月30日 (木)

インフルエンザの迅速検査

 千葉市の休日夜間診療所いわゆる急患センターでは、2010年以降インフルエンザの流行期には簡易迅速検査を原則行わないそうです。外来患者が非常に多くなり、待ち時間が長くなるからでしょうか、診療の効率化や迅速検査の限界等を考慮しての判断のようです。ただし重症例など医師の判断で例外もあることや、迅速検査を実施しなくても「医師の診察でインフルエンザと診断された場合には、抗ウイルス薬の処方が行われる」との但し書きも付けられているます。
 この背景には、2009年のインフルエンザ流行時に、厚生労働省が「無症状者のインフルエンザ陰性を証明するために医療機関を受診させ、簡易迅速検査などを行う意義はない」と通知を出し、また、「臨床所見や地域の流行状況などから医師が総合的に判断し、薬物療法が必要と判断した際には迅速検査やPCR検査は必須ではなく、診療報酬や調剤報酬上も抗ウイルス薬投与に迅速検査の実施は必須ではない」との見解も示したことあります。(2009年10月16日事務連絡「新型インフルエンザによる外来患者の急速な増加に対する医療体制の確保について」)。
 この千葉市の判断に対して、医師のサイトなどでは賛成意見が多いようです。家族や集団内でインフルエンザの患者が複数いれば、症状からインフルエンザが疑わしければ検査はせずに医師の判断で診断しても良いと考える医師。症状からインフルエンザが強く疑われるのに検査をすれば医療費の無駄と考える医師。そのような考えの医師たちです。
 そもそもインフルエンザはタミフルなどの抗インフルエンザ薬を使わなくても自然に治ると考える医師もいます。欧米ではインフルエンザを疑ってクリニックを受診したら、「インフルエンザくらいでなんで来るの」と言う医師が多いでしょう。
 私は30年以上小児科医をやっていますが、未だにどんなに丁寧に診察しても直観だけでインフルエンザと診断することには不安があります。それは今まで、典型的なインフルエンザの症状でも異なる病気だったり、家族全員がインフルエンザでも一人異なる病気だったり、まるで非典型的な症状なのにインフルエンザだった患者さんを数多くみてきたからだと思います。
 検査のやりすぎな戒めなければいけませんが、医師の主観的判断に頼りすぎる診断も戒めなければならないと思います。

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