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2015年6月29日 (月)

マイコプラズマ肺炎

 夏休み前に小学生を中心にマイコプラズマ肺炎が診られました。マイコプラズマはウイルスではなく細菌です。細菌は抗生物質で治療しますが、肺炎球菌などの一般の細菌に効くペニシンリン系やセフェム系の抗生物質はマイコプラズマには効果がありません。マイコプラズマに効く抗生物質は、マクロライド系、ミノサイクリンなどに限られます。
 マイコプラズマ感染の一般的な経過は、まず発熱があり、数日遅れてだんだんと咳が強くなります。意外と鼻水がありません。小学生以上でこのような経過を診たら、マイコプラズマを疑います。マイコプラズマは検査で診断をつけることが実は簡単ではありません。マイコプラズマは細菌ですから、炎症反応が出るはずで、炎症反応をみる白血球とCRPという血液検査では正常値より高値となるはずです。しかし実際は、白血球が正常値、CRPもほとんど高くならない例も多くあります。感染症の診断の決め手となることが多い抗体検査も、病気の初期は正常値も多く、診断がつけられません。また何か月も前のマイコプラズマ感染の影響で高値をとることもあり、結果の判定には慎重を要します。最近はマイコプラズマの核酸検出の検査ができて信頼性も高いのですが、喀痰を使っての検査なので小児には難しい検査です。
 最近は抗生物資が効きにくいマイコプラズマも増えてきました。普通はクラリスロマイシンで治療を始めますが、これを内服しても熱が下がらず、咳もよくならない例が多くなってきました。クラリスロマイシンが効かない例で、9歳以上の子どもにはミノサイクリンを内服してもらいます。今のところミノサイクリンは効果があります。9歳未満の子どもはミノサイクリンを内服すると歯が黄色に着色する副作用があるので、代わりにトスフロキサシンを内服します。ミノサイクリンに比べると効果が弱いですが、何とか症状はよくなります。
 マイコプラズマは診断も治療も本当は簡単ではありません。

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