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2014年7月30日 (水)

食物アレルギーは皮膚から

 食物アレルギーは、食べた食物が腸でアレルギーをつくると考えられてきました。これを消化管感作と言っています。最近、この考えに疑問を投げかける研究が出てきました。
 蕁麻疹などのアレルギー症状がおこるには、最初に、体が原因物質を異物として認識することが必要です。これを感作といいます。感作が成立したら、その次に原因物質が体に入ってきた時には、すぐにアレルギー反応が出ることになります。今までは、食物が通る腸で食物アレルギーは感作されると考えられてきました。しかし、最近は食物アレルギーの感作が皮膚で起こるという意見が出てきました。
 健康な皮膚にアレルギーの原因になる食物がついても感作はされません。湿疹などで肌荒れが強くなると、原因物質が皮膚の奥に入り込みます。そこにはアレルギーの最初の感作を行う細胞がいます。その細胞が原因物質の食物をとらえてアレルギーの感作が成立します。
 もともと食物は体にとっては異物です。しかし食事をしても普通は異物を排除するアレルギー反応はおこりません。それは食物を異物として認識しないように、見逃すような反応ができているからです。これを経口トレランスといいます。
 先に皮膚で食物アレルギーが感作されると、経口トレランスが阻止されます。その結果、食物アレルギー反応として、蕁麻疹などが発症します。
 最近の欧米の研究では、乳幼児の食物制限は、食物アレルギーの発現率低下にはつながらず、むしろ摂取していた方が発現率が少ないという報告もでてきました。
 日本では、加水分解小麦を含んだ石鹸を使って小麦アレルギーになったことが社会問題になりました。加水分解小麦が皮膚から侵入して、感作が成立して、小麦アレルギーになったためでした。
 皮膚の感作が食物アレルギーのすべてではないでしょうが、これからの研究が期待されます。

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