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2013年12月29日 (日)

ノロウイルス検査について

 冬になると、ウイルス性胃腸炎が増えてきます。よく「嘔吐下痢」と言いますが。嘔吐下痢という病名はありません。嘔吐下痢はいわゆる通称で、正式な病名は「急性胃腸炎」です。病原菌がほとんどウイルスなので「ウイルス性胃腸炎」となります。
 ウイルス性胃腸炎といえば、みなさんロタウイルスを思い浮かばれます。しかしウイルス性胃腸炎の原因ウイルスには多くの種類があります。冬のウイルス性胃腸炎の多くは、ロタウイルスが原因ですが、病原ウイルスに占める割合は50%より少し多いというところでしょう。次に多いのは、ノロウイルスとよく似た、サポウイルスです。春先に多い、ロタウイルス胃腸炎は冬でもあります。
 ウイルス性胃腸炎になったお子さんの保護者の方が、食品関係や介護関係のお仕事をされていると、職場から胃腸炎の原因がノロウイルスかどうか検査をするように指示されと言われます。しかし検査をしてノロウイルスでなくても、感染力の強い、サポウイルスやロタウイルスなどのその他のウイルスによる胃腸炎ですから、ノロウイルスでなかったら大丈夫などということはありません。また一般のクリニックで行っているノロウイルスの迅速検査は、検査の精度が少し劣ります。ノロウイルスがいても陰性となったり、ノロウイルスが陽性となっても本当はいなかったりすることがあります。インフルエンザの迅速検査に比べても精度が劣ります。別の検査法で、ウイルスを遺伝子レベルで調べる検査法では、かなりの高精度でウイルス診断ができますが、自費診療になり、1万円近くの金額になります
 今のところ、私はノロウイルスの迅速検査は原則おこなっていません。他の迅速検査に比べて精度が劣ることと、ウイルス性胃腸炎と診断したら、治療と感染拡大予防の方法と注意点はウイルスの種類に関係なく同じだからです。
 胃腸炎といったら、ノロウイルスしかないような、またノロウイルスが一番怖いウイルスのように、間違った話を広げたマスメディアがいけないのですが、これは言っても改善は期待できないでしょう。

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