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2013年12月31日 (火)

2013年を振り返って

 毎年書いていますが、肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンのおかげで細菌感染の子どもが極端に少なくなりました。しかし今までの肺炎球菌ワクチンは、約80種類の型がある肺炎球菌のうち、病原菌としての頻度の多い7種類の型に対するワクチンでいた。たしかに7種類の型の肺炎球菌の感染はなくなってきましたが、最近は残りの型の肺炎球菌感染が今まで以上に見られるようになってきました。しかし11月から13種類の型に対するワクチンの接種がはじまり、残りの6種類の型の肺炎球菌感染もまた減ってくるもとと思われます。
 来年秋ごろからは。水痘ワクチンも定期接種になります。近い将来、水ぼうそうはほとんど見ることができない病気になってしまうでしょう。小児科医としては、髄膜炎や難聴の合併症がある、おたふくかぜワクチンの定期接種化を強く望むところですが、見送りになったようです。非常にまれにおこるワクチンによる髄膜炎の副反応のために見送りになったのかもしれません。
 今年の出来事で残念だったのは、子宮頸がんワクチンの積極的勧奨が中止になったことです。接種を勧めることが中止になったことだけでなく、それに至る経過で、客観的な資料に基づく冷静な議論がなったことが残念でした。いつものことながら、マスメディアのセンセーショナルな報道、というよりは、もうプロパガンダといってもよい報道が、国民に冷静な判断材料を提供できなくしてしまいました。この代償は、10年後20年後に、ワクチンを接種していれば避けることができた、子宮頸がんという病気で亡くなったり、苦しんだりする多くの若い女性たちを救えないという結果で現れるはずです。
 来年、再来年、これから先、少しずつでも子ども達や保護者の方々の意識改革が進むように、私も微力ながら力を尽くしていきます。

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2013年12月29日 (日)

ノロウイルス検査について

 冬になると、ウイルス性胃腸炎が増えてきます。よく「嘔吐下痢」と言いますが。嘔吐下痢という病名はありません。嘔吐下痢はいわゆる通称で、正式な病名は「急性胃腸炎」です。病原菌がほとんどウイルスなので「ウイルス性胃腸炎」となります。
 ウイルス性胃腸炎といえば、みなさんロタウイルスを思い浮かばれます。しかしウイルス性胃腸炎の原因ウイルスには多くの種類があります。冬のウイルス性胃腸炎の多くは、ロタウイルスが原因ですが、病原ウイルスに占める割合は50%より少し多いというところでしょう。次に多いのは、ノロウイルスとよく似た、サポウイルスです。春先に多い、ロタウイルス胃腸炎は冬でもあります。
 ウイルス性胃腸炎になったお子さんの保護者の方が、食品関係や介護関係のお仕事をされていると、職場から胃腸炎の原因がノロウイルスかどうか検査をするように指示されと言われます。しかし検査をしてノロウイルスでなくても、感染力の強い、サポウイルスやロタウイルスなどのその他のウイルスによる胃腸炎ですから、ノロウイルスでなかったら大丈夫などということはありません。また一般のクリニックで行っているノロウイルスの迅速検査は、検査の精度が少し劣ります。ノロウイルスがいても陰性となったり、ノロウイルスが陽性となっても本当はいなかったりすることがあります。インフルエンザの迅速検査に比べても精度が劣ります。別の検査法で、ウイルスを遺伝子レベルで調べる検査法では、かなりの高精度でウイルス診断ができますが、自費診療になり、1万円近くの金額になります
 今のところ、私はノロウイルスの迅速検査は原則おこなっていません。他の迅速検査に比べて精度が劣ることと、ウイルス性胃腸炎と診断したら、治療と感染拡大予防の方法と注意点はウイルスの種類に関係なく同じだからです。
 胃腸炎といったら、ノロウイルスしかないような、またノロウイルスが一番怖いウイルスのように、間違った話を広げたマスメディアがいけないのですが、これは言っても改善は期待できないでしょう。

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