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2013年4月29日 (月)

ヒト・メタニューモウイルス

 ヒト・メタニューモウイルス(hMPV)はRSウイルスに似たウイルスです。乳幼児がかかると、高い熱がでて、咳がひどくなり、ゼーゼーいったりして気管支炎になることがあります。3月から6月にかけてよく診られます。RSウイルスかなと考えて、検査をしても陰性の場合は、hMPVのことがよくあります。最近になって外来でできる検査キットができました。診断はついてもウイルスを殺す薬はありません。しかし診断することで病気の見通しや注意点を理解していただけるかと思っています。

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2013年4月 1日 (月)

登園許可書

 昨年4月に、インフルエンザやおたふくかぜの登園・登校のめやすが変わったせいか、登園許可書を求める幼稚園・保育園が増え、書類の様式も新たに変わった園が多くありました。
幼稚園を所轄する文部科学省の学校保健安全法の「感染症の予防」には、
(出席停止)
第十九条  校長は、感染症にかかつており、かかつている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる。
とありますが、登園許可書等の書類について記載はありません。

学校保健安全法の運用を定めた、学校保健安全法施行規則には、
第二十一条 感染症の予防に関する細目
校長は、学校内において、感染症にかかつており、又はかかつている疑いがある児童生徒等を発見した場合において、必要と認めるときは、学校医に診断させ、法第十九条 の規定による出席停止の指示をするほか、消毒その他適当な処置をするものとする。
とありますが、ここでも登園許可書等の書類について記載はありません。

 文部科学省は登園許可書の必要性を求めていません。実際、幼稚園では許可書を求めることは多くありますが、学校からは求められることはありません。

 保育園については、所管する厚生労働省の、「2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」の22ページに、
(3) 罹患後における登園時の対応
感染症に罹患した子どもの速やかな体調の回復とともに、保育所では、周囲への感染拡大防止の観点から、学校保健安全法施行規則の出席停止の期間の基準に準じて登園のめやすを決めておく必要があります。
別添3に、医師の意見書及び保護者が記入する登園届の様式の例について示します。しかし、登園についての判断は、診察に当たった医師が身体症状やその他の検査結果等を総合し、医学的知見に基づいて行うものであり、登園するにあたっては一律に届出書を提出する必要はありません。
これらの届出の要否については、個々の保育所で決めるのではなく市区町村の支援の下に地域の医療機関や学校等と十分に検討して、決めることが大切になります。医師からの意見書や保護者が記入する登園届が必要な場合には、保護者に十分に周知して提出を求めます。(別添3参照)

とあり、登園許可書となる「意見書」が記載されてします。しかし意見書の一律な提出は必要ないと明記しています。
また、治癒証明や登園許可ではなく「意見書」となっていて、内容も
「年 月 日から症状も回復し、集団生活に支障がない状態になったので登園可能と判断します。」
となっており、「感染の可能性がない」という内容ではありません。

 意見書は「登園のめやす」をもとに出すものとなっています。治癒の判断を求めるものではありません。そもそも病気の治癒を診断することは不可能です。ウイルスなどの病原菌の排泄期間は患者により様々で、また病原菌が完全にいなくなったことを証明する方法はありません。
 登園のめやすに則って、登園を始めても感染の可能性を排除できないということです。そしてそれは仕方がないことだと認めてもらわなければいけません。
 幼稚園・保育園は、医師が登園許可書を出したら、感染の危険性をなくすことができると思っていたら間違えです。インフルエンザにしろ水ぼうそうにしろ、診断できる1ないし2日前からウイルスは排泄されているので、集団感染は防ぎようがありません。この類の書類は、他の園児への感染を防ぐためではなく、本人が登園出来る体調になったことを認める書類と理解してください。

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