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2011年11月30日 (水)

インフルエンザワクチンとロタウイルスワクチン

 今シーズンからインフルエンザワクチンの子どもへの接種量が変わりました。6ヶ月から3歳未満の児には、1回 0.25mL を皮下に2回接種します。3歳から13歳未満の児には、1回 0.5mL を2回接種します。13歳以上の児には、1回 0.5mL を1回注射します。
 昨シーズンまでは、1歳未満には1回 0.1mL、1歳から6歳未満には1回 0.2mL、13歳未満には1回 0.3mL を2回注射していました。 13歳以上は 0.5mL を1回注射していました。
 1歳未満の子や、3歳から6歳未満の子は、昨年から一挙に2.5倍の接種量に増えました。ワクチンの中身が変わったわけではありません。1回の接種量だけ増えました。こんなに増えて大丈夫ですかと心配される保護者もいらっしゃいますが、今シーズンからの量が世界標準です。今までの日本の接種量が少なすぎたのです。そのため昨年までは1歳未満は接種しても効果が全くなかったわけです。
 3歳以上では接種量が成人と同じになったので、1回の接種で免疫の効果は十分に上がり、2回接種に比べてもわずかに劣る程度でほとんど差がありません。
 厳密には、8歳以上では、前年のシーズンにワクチンを接種していなくても今期に1回接種で十分に免疫が付きます。ただし8歳未満では、前年の接種がないと今期は2回接種しないと免疫が十分ではないようです。
 しかし今シーズンのインフルエンザワクチンは内容が昨年のシーズンと全く同じです。インフルエンザワクチンは、毎年、中のA香港型、Aソ連型、B型のウイルスの細かいタイプが少しずつ変わります。しかし今シーズンのワクチンは変わりませんでした。
 ワクチンの内容が変わらなければ、昨シーズンに接種していれば、今シーズンは全年齢で1回の接種で十分免疫がつくというデータがあります。
 アメリカのインフルエンザワクチンの接種も、前年に接種した場合は1回接種でよいとなっているようです。
 私のクリニックでも昨シーズンに接種している子どもで、特に3歳以上は、今シーズンは1回接種でもよいとしています。

 11月21日からロタウイルスワクチンの接種ができるようになりました。残念ながら任意接種で自費となります。1回15,000円前後の医療機関が多いかと思います。それを2回接種しなければなりません。このワクチンは最も高額なワクチンです。英国に本社を置く海外メーカーのワクチンです。1ドル=100円のレートで価格を計算しているようです。1ドル77円前後の現実とはかなりかけ離れています。超円高の恩恵はありません。問題なのは為替レートが変わったり、年月がたっても価格の改定がないことです。いつまでたっても割高なワクチンを海外のメーカーから買わされているのが現状です。
 もうひとつの問題はこのワクチンの接種時期が生後4週から24週と限られていることです。この背景には、以前、別のタイプのロタウイルスワクチンで、接種後に腸重積が有意に発生したため、腸重積の発症が多い生後6か月以降の接種を回避したためです。
 アメリカでは「2回目の接種を終了しなければいけない期限は8か月まで。」とされています。しかし日本ではロタウイルスワクチンの臨床治験で対象を24週までとしたため、24週以降は接種できなくなりました。これは、ヒブ、肺炎球菌ワクチン、三種混合ワクチン、BCGの接種を考えると、スケジュール的にかなり厳しい結果をもたらしています。

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