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2011年8月 1日 (月)

水いぼ

 「水いぼがあるとプールに入れません。」という幼稚園や保育園があります。園にはそれぞれ方針があるとは思いますが、プール禁止の理由は何でしょうか。
私は水いぼのある児のプール参加は条件付き可と考えています。法規や医学的にも「水いぼのプール参加は禁止」はありません。
感染症にどのように対処するかは、まずは行政の法規、次に医学的理論を根拠にしないといけないと考えています。。

行政の法規、ガイドライン等
平成11年4月に改定された学校保健法の「学校において予防すべき伝染病」の「第3種 その他の伝染病」のなかに「水いぼ」と「とびひ」が入っています
「水いぼ」への対処の施行細則は、文部省作成の「学校において予防すべき伝染病の解説」の「その他の伝染病」「通常の出席停止は必要なし」にあります。
予防方法及び学校における対応・・・多数の発疹のある者については、水泳プールでビート板や浮き輪の共用をしない。
とあり、プール参加の禁止とは書いてはありません。

保育園における感染症の手引き2010:厚生労働省保健課2009年8月
には、集団保育において留意すべき事項
プールや浴槽内の水を介して感染はしないが、ビート板や浮き輪、タオルなどの共用は避ける
プールの後はシャワーでよく流す
と記載されています。ここでもプール参加の禁止とは書いてはありません。

「学校、幼稚園、保育所における予防すべき感染症の解説」日本小児科学会 予防接種・感染対策委員会 2011年1月19日
には、多数の発疹のある者については、プールでタオルなどを共用しないよう指導する。学校などへの出席を止める必要はないが、浸出液がでている場合は被覆する。
と記載されています。ここでもプール参加の禁止とは書いてはありません。

医学的理論
 水いぼのウイルスはプールの水を介して感染拡大はしません。水系感染はせずに接触感染です。しかも健常な皮膚では容易に感染しません。もちろんプールでは裸の付き合いになりますから、接触感染の可能性はゼロではありません。しかし園庭で体をぶつかり合って遊ぶことでも感染のリスクはある訳で、接触感染を避けるためのプール参加を禁止するなら、体がぶつかり合う子ども同士の遊びはすべて禁止しなければならないでしょう。プール参加の禁止だけでは感染の拡大は防げません。
医学のテキストでは水いぼとプールについて記載したものはなかなかありません。欧米のテキストでも、メルクマニュアルでは、入浴やプールの記載はなし。小児科の世界的テキストであるネルソンで唯一、入浴のアドバイスが記載されています。
affected patients should be advised to avoid shared baths and towels until the infection is clear.( 症状が消失するまで入浴を別にし、タオルの共有を避けるようにアドバイスする。)

お母さんに伝えたい子どものホームケアガイド:日本外来小児科学会 2010年1月
水いぼとプール
プールの水でうつるわけではありません。
裸の体をこすりつけたり、うき輪やビート板、タオルを共用すると、うつることがあります。
プールや水遊びを禁止したり、出席を停止したりする必要はありません。

最後に朝日新聞に掲載された鯖江市医師会の調査を引用します。
福井県鯖江市医師会は1988年、県内107の保育園・幼稚園を調査しました。いぼの切除を原則とする園は56.6%で、ブールを停止している施設は62.9%でした。そこでは水いぼを切除していても、「水いぼを持つ子どもの数はほとんど変わらない」と答えた施設が42.8%あり、20%以上の施設は「増加した」と回答しました。水いぼの切除をしても効果はないわけです。
そこで同医師会では、①プールをこの病気のために禁止することを改める②原則として一切の治療の必要はない、という二点を、集団生活を指導する立場の人々に訴えることにしました。。

 水いぼは全身状態を悪化させる病気ではありません。自然に消えて良くなる病気です。水いぼの児がプールに入れるかは、以前から全国で問題になっています。しかし平成11年の学校保健法の改正以降、プール参加の禁止はなくなりました。私は水いぼが発赤していたり浸出液が出ていたりして状態の悪い場合は控えるべきだと考えますが、そうでない場合はプールの参加は可能だと考えます。。

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