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2010年12月31日 (金)

この1年を振り返って

 昨年に大流行した新型インフルエンザの第二波が大方の予想と異なり来なかったことは幸いでした。今年のインフルエンザは例年の流行の動きのようにみえます。インフルエンザワクチンは昨年のパニックと異なり今年は接種する人が少ないのようで今後の患者数の増加と症状の重症化が心配です。
 今年の日本は民主党に政権交代したものの、経済も福祉も外交も国民が期待するほどの変化や改善がありません。とにかく経済状況が悪く、自民党時代からの900兆円近い国の借金は重く、来年度予算も財源がなく、とても医療福祉の充実は望めません。事業仕分けでの「無駄の削減」も億円の単位にしかならず、もともと数が少ない富裕層の増税も焼け石に水です。 行政サービスの低下を伴う財政緊縮予算にして、かつ増税をおこなわないと近い将来日本は破綻せざるをえないのが現実でしょう。
 先の麻生政権の時、麻生総理大臣が「日本は中負担、中福祉」と言いました。北欧のように高負担(消費税)、高福祉ではなく、米国のように低負担、国民皆保険もない低福祉でもないわけです。もちろん年金などまったくない中国とも違うわけです。しかし政府の方針と国民の期待には溝があるでしょう。消費税も含めた税金の負担を望まないなら、どこまでの福祉が可能か、政府は説明をしてほしいものです。国民に媚びて選挙結果だけを心配する政治家達にかわって国民に現実を語れる政治家がでてきてほしいものです。北欧の国民が高負担、高福祉を受け入れているのは、政府の信頼が厚いからです。国民が政府、政治家を信頼できない日本では高福祉はしょせんありえないのでしょうか。
 社会学者の大澤真幸は資本主義とプロテススタントには密接な関係があると言っています。プロテスタントの中でも自己責任を強く求めるカルバン派の多い社会では税金が低くかつ低福祉で、そうでないルター派の多い社会では税金が高くで高福祉と言っています。米国はカルバン派が多く、北欧はルター派が多い国々です。理由は、例えは悪いのですが、カルビン派では社会的に成功したした人は神の祝福を受けた人と考えます。社会的にネガティブな人は神の祝福を受けていない人と考え、そういう人を社会の人々が勝手に救うのは神の意思に反すると考える。神に祝福されたかったら、自分の力で努力をして成功しなければならないという自己責任の考えが強くなります。その代わり個人の自由も尊重する社会になるわけです。
 選挙で税金の話をすると国民が抵抗する米国(日本もそうですが)と、選挙で税金を高くしても政権が倒れない北欧との違いは宗教的伝統と相関があるのでしょうか。
 あまりよい話がなかった今年の医療福祉のなかでひとつよい話が出てきました。昨年末のこのブログに書きました、子宮頸がんワクチン、肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンに対して来年から公的補助が始まります。多くは来年4月から、早いところは22年度中に始まります。この3つのワクチンの重要性を多くの人に理解していただき接種してもらわなければなりません。私も来院される保護者の方々に積極的にお話をしていくつもりです。
 今日は2010年最後の「本日の独り言」です。みなさん良い年をお迎えください。

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