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2009年7月30日 (木)

7月の雑感・疾患編

 梅雨はまだ明けませんが、手足口病などの夏かぜは流行しています。手足口病はエンテロウイルスが原因です。いわゆる手足口病ウイルスというウイルスは存在しません。エンテロウイルスが感染しても必ず手足口病になるわけではありません。症状が熱だけだったり、足の発疹だけだったり、中には症状はほとんどなくウイルスだけを排出している患者さんもいます。手足口病とは独立した病名ではなく、エンテロウイルス感染の症状を言っているだけと考えたほうが理屈には合っています。またウイルスに感染したら患者さんは約1ヶ月間はウイルスを排出します。他の子ども達に病気をうつす訳です。以前は発疹が出ている間は保育園・幼稚園は登園禁止にしていましたが、発疹が消えても感染力があること、症状がほとんどなくてもウイルスを排出している人もいるため、今は発疹のみで登園禁止にはならなくなりました。もちろん熱があったり、元気がないときはお休みをします。
 最近はメディアもほとんど取り上げなくなりましたが、新型インフルエンザの患者数が増加しています。国内の最初の症例から約2ヶ月で蔓延期になりました。これから約2年間にほとんどの国民が感染するでしょう。世界中で日本政府だけがとった水際対策、発熱外来などは、人力と予算の無駄遣いに終わったことが証明されただけでした。弱毒型インフルエンザに対して、SARSや強毒型インフルエンザの対策で対処した日本政府の対応は世界の物笑いの種にしかなりませんでした。国の方針転換で7月下旬から発熱外来はなくなりました。一般診療所でも新型インフルエンザを診ることになりました。そして全数調査も中止になりました。簡易検査でA型の陽性判定がでたら、今までは公的機関の精密検査で季節性か新型かを診断ていましたが、今後は個別の患者さんの精密検査はしなくなります。集団発生のときだけ検査をすることになりました。発熱で診療所を受診して、簡易検査でA型陽性になっても、医師の答えは「もしかしたら新型かもしれないね」くらいになります。患者さんも「そうですか」と冷静に受け止めてもらえるとありがたいのですが。しばらくは混乱するかもしれません。新型インフルエンザは恐怖のウイルスでは決してないわけです。手洗いによる予防をおこない、もしも罹ってしまったら抗インフルエンザ薬等で治療して、ウイルスが体の中から消えるまでは集団生活には戻らずに自宅で安静にするとういう基本を守ればよいわけです。それとワクチンには過大な期待は持たないほうがよいと思います。もともとインフルエンザワクチンの予防効果は低いわけで、それは今度の新型インフルエンザのワクチンも同じでしょう。それに急いで作ったワクチンでしかも通常なら何年もかけておこなう臨床試験も簡単に終わらせて認可するのでしょうから、安全性もいかがなものかと思われます。

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