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2007年9月20日 (木)

こどもの片頭痛

 激しい頭痛で悩まされる片頭痛はこどもにもあります。日本頭痛学会の「慢性頭痛の診療ガイドライン」にも「小児の頭痛」の項目があり、そのなかに小児の片頭痛の記載があります。最近の論文からこどもの片頭痛の有病率は約7%、クリニックでは小児の頭痛患者のうち約50%は片頭痛であると書いてあります。ムカムカや嘔吐をともなう、ズキンズキンとする拍動性の頭痛で、さらには頭痛で日常の動作ができない、こような頭痛が5回以上あればこどもの片頭痛と診断します。
 ところでこどもには、突然の嘔吐を繰り返す、周期性嘔吐症という病気がありますが、これは将来、片頭痛へ移行するようです。また、お腹に特別に病気がないのに、突発的に強い腹痛をくりかえすのは、腹痛片頭痛として分類しています。
 9月18日に前原市の大塚神経内科の先生の頭痛の講演を聴きました。先生も4%位の頻度でこどもにも片頭痛があるといわれていました。こどもの片頭痛は両側性の締め付けるような痛みが多く、ほとんどの例で両親のどちらかに片頭痛があります。
 朝起こることが多く、不登校の半数以上に片頭痛があるといわれます。頭痛の訴えのこどもに、「頭は大丈夫」といってしまってはいけません。その子の訴えをよく聴き「片頭痛でないか」考えてみることが大事です。
 最近の研究で、片頭痛は脳血管の炎症の結果だとわかってきました。頭痛にたいして鎮痛剤で対処しては、痛みをわずかに抑えるだけで、血管の炎症は抑えることはできません。何回も血管の炎症が繰り返されると、血管がもろくなってきます。片頭痛の患者は脳血管障害(脳梗塞など)のリスクが高いという研究報告が次々と発表されています。特に前兆を伴う片頭痛はリスクが高くなります。片頭痛の治療には炎症物質を抑える、トリプタン製剤を使わなければいけません。このことは今後広く知ってもらう必要があります。しかしこどもにはトリプタン製剤の使用は認められていません。今後の問題です。

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