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2007年2月 5日 (月)

インフルエンザと異常言動・行動

 インフルエンザが流行し始めました。昨年はタミフルを内服した後に異常行動がみられたという報告があり、タミフルの副作用ではないかと騒がれましたが、その後、日本と米国から因果関係は証明できないという報告がでました。
 今年1月の小児科学会雑誌に市立牧方市民病院小児科の原啓太先生らの「インフルエンザの経過中に異常言動・行動を呈した症例の検討」という論文が掲載されています。

http://www.jpeds.or.jp/journal/111-01.html#111010038

それによるとインフルエンザの患者の1.7%に熱せん妄に一致する異常言動・行動がみられたそうです。
異常言動・行動の内容は、
①異常な発言・奇声:虫がいないのに「虫がいる」と言ったりする。いわゆる幻視などです。
②異常な行動:何かを払いのける仕草などです。
③異常な情動:強い怯え、意味なく笑うなどです。
 これらの症状は、発熱後24時間以内に出現することが多く、高熱のときにおこりやすいので異常行動の前後に熱性けいれんが多くみられるそうです。また夜間睡眠中におこりやすいようです。
 異常言動・行動の持続時間は30分以内がほとんどで、その後は意識もはっきりしているのでインフルエンザ脳症とは違います。異常行動は夜間睡眠時に起こりやすいので、子どもを一人で寝かさないようにすることも重要と言っています。。
 この論文でも指摘されていますが、これらの異常言動・行動はタミフルの内服とは直接の関係はありません。せん妄をきたす薬物としては薬学的には抗コリン作用を有する薬物(抗うつ薬、抗精神薬)が有名です。身近な薬では市販の風邪薬の中にも含まれる抗ヒスタミン薬、いわゆる鼻水の薬も抗コリン作用があります。私は異常言動・行動を引き起こす可能性は、タミフルよりは抗ヒスタミン薬のほうがはるかに高いと考えています。

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