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2006年11月23日 (木)

嘔吐下痢症の治療

 冬の代表的な病気である、吐いて下痢をするウイルス性胃腸炎、いわゆる「嘔吐下痢症」が増えてきました。原因となるウイルスは複数ありますから何回でも罹ります。嘔吐や下痢の程度も様々です。一般的には夜中から朝まで数回吐いて、その後に下痢が数日続きます。嘔吐下痢になると最も心配されるのが脱水症です。吐いて下痢をするから体の水分が逃げてしまうように思われますが、実は失われているのは水だけではなく塩分(ナトリウムなどの電解質)も失われています。特に胃液にはナトリウムが多いので頻回の嘔吐は体の血液中のナトリウム濃度を下げて体調を大変悪くします。そこで嘔吐下痢のときは水分だけではなく電解質の補給が重要になります。
 日本では嘔吐下痢で元気がなくなると点滴を受けることがあります。しかし欧米では点滴は原則しません。電解質(特にナトリウム)とブドウ糖の経口補水液を飲んで治します。経口補水液はスポーツ飲料とは違います。主な違いは電解質濃度(ナトリウムの濃さ)です。スポーツ飲料はナトリウム濃度が低く糖分が多く砂糖水のようなもので脱水の治療には使えません。子どもの胃腸炎に電解質濃度の低いスポーツ飲料を飲ませすぎたせいで体の電解質バランスをこわしてしまい重症化した例がいくつもあります。死亡例もありました。
 嘔吐が続いているときには無理に飲ませてはいけません。無理に飲ませると更なる嘔吐を誘発するだけです。一度胃を休ませることが重要です。嘔吐が少し落ち着いたら経口補水液を少しづつの量を、くり返しゆっくり時間をかけて飲ませてください。手に入りやすい経口補水液は大塚製薬のOS-1です。しかしこれは「病者用食品」であるためコンビにやドラッグストアでは売っていません。調剤薬局で購入してください。

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2006年11月12日 (日)

病気と季節

 寒くなってきました。冬はウイルス性胃腸炎、いわゆる嘔吐下痢症の季節です。先々週から流行し始めました。ところが時を同じくして真夏の風邪である手足口病も一部地域で流行し始めました。昨年からインフルエンザが夏にもみられるようになり、どうも病気の季節感がなくなりつつあるようです。これは人の生活環境の変化か、ウイルスの適応の変化かわかりません。しかし東南アジアでは以前から真夏にもインフルエンザがありました。ウイルスの適応力が強いのでしょうか。

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