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2006年6月30日 (金)

乳幼児栄養調査結果

厚労省が「平成17年度乳幼児栄養調査結果の概要」を発表しました。これは10年毎に調査され、これをもとに「授乳離乳食支援ガイド」が今後作成されます。今回の調査ではベビーフードを多用した親は1歳以上で子どもの偏食に多く悩んでいたり、子どものときにインスタント食品を良く食べた親はベビーフードをよく使用したという結果が出されています。これはあくまでも統計処理の結果です。また食事の内容では毎日野菜を食べない子が35%いたり、朝食をほとんど食べない子が2%いるという結果も出ています。詳しくは厚労省のHPで「平成17年度乳幼児栄養調査結果の概要」を参照ください。 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/06/h0629-1.html

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2006年6月28日 (水)

人口ボーナス 2

「人口ボーナス」の続き、長文です。
ここから先は、5月22日のNHKラジオ夕刊で放送された、日本総研環太平洋戦略研究センターの大泉啓一郎氏の見解です。
小児医療とは関係ありませんが子どもたちが大人になるころのアジア情勢、特に中国の社会情勢について興味ある話でしたのでここにまとめてみました。

世界一の人口大国である中国は、一人っ子政策により一人の女性が生む子どもの数は1.8人となり、2040年頃には人口減少社会に移りやがて高齢化社会を迎えます。
経済成長と人口の結びつきという視点からみると、中国の人口構成の変化によって10年後には経済成長が制約されると思われます。

働き盛りが人口にしめる割合が多く、しかも社会が養わなければならない子どもの数は減り、老人の比率もまだ多くないという人口構成は経済発展を推進します。これが「人口ボーナス」という考えです。
この恩恵で中国は今GDP比で40%を超える貯蓄率があります。「人口ボーナス」は労働面だけでなく貯蓄面でも経済発展そ推進します。

しかし中国政府は個人所得の低い経済段階で一人っ子政策をとったため、せっかくの人口ボーナスが短い期間で終わってしまいます。中国の高度成長は2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博の後は終わるという意見もありますが、ちょうどそのころに人口ボーナスも終わり高齢化問題の負担が重くのしかかることが予測されます。

問題は人口ボーナスが終わる段階でも中国は先進国型の経済構造や水準には達しない可能性が高いことです。日本では人口ボーナスが終わった1990年には一人当たりのGDPが27000ドルでした。中国では今は1700ドルで、2010年でも3000ドルにも達しないでしょう。
それは日本、韓国、台湾と異なり中国では産業構造の高度化が進まないという特徴があるためです。日本、韓国、台湾では人口ボーナスの間に2つの産業構造の変化を経験しています。
1つは農村から都市へ若者が移り住み、ベビーブーム世代が製造業部門に吸収されていいく過程で、農業中心の産業構造から製造業中心の産業構造へかわりました。
2つめは経済発展にともない製造業からサービス業へ産業構造の転換がうまくいきました。
しかし中国の場合、製造業が中心の産業構造はもっていますが多くの労働人口はいまだに農業、農村にとどまったままです。また産業のサービス化ができていないという産業構造の遅れがあります。

中国政府の目標では2020年までに経済規模を現在の4倍に拡大して一人当たりの所得も先進国並を目指す
ことはできると考えているようですが、それでも一人あたりのGDPは6000ドルくらいで止まると思われます。これはマーレーシアより少し高いところで止まるくらいでしかありません。

中国ではちょうど文化大革命の時期にベビーブームが起きています。今はその世代が30台半ばから40台半ばで働きざかりにあり、彼らが生産年齢人口から外れるまであと20年ありますが、この間には高度成長は続くのでしょうか?
日本ではベビーブーム世代が企業戦士として働き、中高年になっても技能や経験を活用して今も生産性向上に寄与しています。
しかし中国のベビーブーム世代は初等教育を受けただけで農村での肉体的な伝統的農業に従事しており、年を重ねるにしたがってどのような生産力を維持できるかという課題があります。すでに都市部においては中高年の就業が若者との競争に負ける、または実際のニーズに合っていないという問題が出てきているベビーブーム世代をどのようにして社会のニーズにマッチさせるようにできるかが中国の政策課題になるでしょう。

これからの限られた時間のなかで中国政府がしなければならないことは、一人一人の個人の生産能力を高めることです。中国政府は大学の進学率を高め、研究機関の能力を高め、技術開発、生産性の向上を目指した策をとっていますがこれは若い世代の生産性向上策でしかありません。中高年(ベビーブーム世代)の研修にはつながっていません。持続的な経済発展と成長を続けるためには農村に留まり続けるベビーブーム世代をどのようにして労働の中に社会のニーズの中につなぎこんでいくかといくことが課題になります。

中国のような低所得国の高齢化は、高齢化問題と貧困問題が重なるというシリアスな問題をかかえることになります。中国の高齢化のスピードは日本よりかなり早いペースで進むと予測されます。中国の今年3月の国会では農村部も都市部と同じ社会保障制度を作るとありましたが、それが実現した場合、高齢化の過程で財政が新たな負担をかかえることになり、持続的な経済発展にはかなりの制約要因になることは間違いないでしょう。

東南アジアの国々では出生率が非常な勢いで下がってきており、いずれ人口減少社会に突入します。かつての人口爆発は終わり、これからは高齢者の人口爆発がおこるのがアジアの新しい姿になります。途上国が先進国になりきれない段階で高齢化、少子化の深刻な問題を迎えます。

アジアの共同体を考えるとき、今までは経済を重視しすぎていました。今、社会の構造が大きく変わっていることに注意しなければいけません。これまでは東アジアの社会が安定してきたことが経済発展の基盤でした。これから日本が地域経済の枠組みをつくるときには、高齢化の問題、ライフスタイルの変化で東アジア共同体の求心力が低下するという新たな問題を考えなければいけません。

高齢化、少子化で社会がどのような変化を蒙るか、またそれに対してどういう対策をとるか、日本の経験を中国をはじめとする東南アジアの国々にきちんと教えていかないといけません。日本もけっして成功しているわけではありませんがたくさんの知識と経験があります。それをアジアの人と共有して、アジアの国々と共通の知恵を出す場をつくることが重要です。

http://www.jri.co.jp/RIM/2006/01economy.html

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2006年6月27日 (火)

夏かぜと抗生物質

今年は5月が天候不順だったためか例年より風邪が多いようです。ヘルパンギーナ、手足口病などの夏風邪はのどの所見に特徴があり、その他にもヘルペス性口内炎、突発性発疹、体に発疹が出るエンテロウイルス、そして今流行のアデノウイルスなどものどを診ればある程度は病名が予測できます。これらの病気はいずれもウイルスが病原体です。子どもの風邪は90%はウイルスが病原体です。ウイルス性の病気には抗生物質はまったく効きません。抗生物質はウイルスとは異なる病原体の細菌にしか効果がありません。すなわち今の風邪にはまず抗生物質は効きませんし、私も必要のない抗生物質は処方しません。

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2006年6月20日 (火)

人口ボーナス

「人口ボーナス」という言葉をご存知でしょうか。多産多死から少産少死に至る過程で、高齢者と子どもの数が少なくなり、相対的に働き盛りの人口が増え、子どもや老人の扶養負担が減り、貯蓄率が上昇しひいては経済発展を推進するとういう考え方です。日本では1960年代にこの恩恵をうけ経済が著しく成長しました。しかし生産年齢人口が減少して高齢者が多くなると、少子高齢化の人口構成が経済発展に重荷になります。これを「人口オーナス」といいます。日本では90年代から人口オーナス期に入っています。「人口ボーナス」期に次に来る「人口オーナス」期の対策がとれなかったために、年金問題を初めとする少子高齢化の諸問題に日本があえぐことになってしまいました。ところで経済成長著しい中国も近い将来同じ問題をかかえることになるようです。人口12億ともいわれる中国が少子高齢化問題に直面する時が近づいています。続く

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2006年6月 9日 (金)

「おしごと体験型」のテーマパーク

今秋、東京江東区の豊洲に、子どもが「働くことの面白さ」を学べる「おしごと体験型」のテーマパークがオープンします。メキシコでうまれたテーマパークが世界進出してきました。パークの中には街がつくられていて、様々な仕事を擬似体験でき、働いた分の給与が模擬紙幣で払われるようです。それぞれの職場には現実の企業がスポンサーでつきますから、将来の社員や顧客を捕まえようとする企業の思惑も少しは見えるようです。昔は素朴ながらも自分たちで想像しながら○○ごっこで遊んでいた子どもは、今は立派に状況設定されたテーマパークで○○ごっこの時代になりました。ニートが社会問題になる今、子どものときから仕事をすることの面白さを学ぶことは大事ですが、あまりにも用意されすぎはどうなのかとも思います。

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